耐震一次診断について

L型、コ型、口型の建物では、一階部分がピロティ形式になっていなければ建物がつぶれるということはまずないと考えられるので、災害発生後の避難経路を日ごろから考えておく必要がある。たとえば、L型の建物で、接合部に破損が生じると、地震後に火災が発生した場合などに非常階段からの避難ができなくなる可能性も生じる。耐震診断と補強地震に対する安全対策は多くの居住者の関心事である。阪神淡路大震災の被害を教訓にして、中古マンションごとにやれること、やれないことを検討してみるのが大切であろう。自治体によっては、耐震一次診断を希望の中古マンションに対して実施しているところがあるが、これは必ずしも中古マンションの実態に沿ったものになっていない。たとえば、昭和四五(一九七〇)年以前に分譲されたある中古マンションは、自治体の無料耐震一次診断で「本格的な耐震二次診断が望ましく、そのための費用として一七三〇万円が必要」という勧告を受けている。耐震診断だけに一七〇〇万円からの費用を投入できる中古マンションはまずないといってよい。

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